PCを正常に動作させるために、マザーボードにはBIOS(Basic Input Output System)と呼ばれる起動に最低限必要な基本プログラムが用意されています。
このBIOSには、PCを起動や各周辺機器の初期化などをするために使用されています。
最近のマザーボードには、このBIOSはEPROMと呼ばれる書き換えの出来るROMに記録されており、新しい周辺機器・機能の対応、または、何らかの不具合の修正があった場合にBIOSをアップグレードすることが出来ます。もちろん今回使用しているP3B−Fも、BIOSを搭載しており、またBIOSのアップグレードが可能となっています。
ただし、このBIOS書き換えは成功すれば、新機能対応・不具合対策などのメリットがありますが、失敗すると二度とマシンが立ち上がらなくなるという恐ろしい面も持っています。ある程度注意して作業を行えば失敗するか確立はかなり低くはなりますが、もし失敗した場合でも誰も保証してはくれません。あくまで、自己責任で行わなければなりません。またこのBIOSのパラメータを変更することによって、マシンの安定化や高速化を行うことが出来ます。
P3B−Fの場合はマシン起動直後にDELキーを押すことによって設定のモードに移ることが出来ます。それぞれのパラメータがどのような意味を持つのかは次のホームページが参考になります。
BIOSアップデートでは、以下のものを用意する必要があります。
- アップデートするPC
- PCに内蔵しているマザーボードに対応した新BIOS
- PCに内蔵しているマザーボードに対応したBIOSアップデートユーティリティ
- 2HDのFD1枚
ここでは、P3B−FのBIOSアップデートの場合について説明しますが、他のマザーボードでも基本的な手順は一緒です。
P3B−Fの新BIOSは、ASUSTeKのホームページで手に入れることが出来ます。間違っても別のマザーボードのものをダウンロードしないように注意しましょう。1999/8/8現在での最新版は、bx3f1003.zip です。
BIOSアップデートユーティリティは、P3B−Fに付属してきたCD−ROMに入っているものを使用します。
CDROM内の ¥AFLASHディレクトリにアップデートユーティリティが保存されています。あと、安全にBIOSアップデートを行うために、FD起動のためのFDを1枚用意します。
ここでは、P3B−FのBIOSを1002から1003へ変更する場合の説明になります。
用意したFDをFDドライブにセットして、DOS画面から以下のようにシステム入りでフォーマットを行います。
FORMAT A: /S 次に、P3B−F付属のCD−ROMからBIOSアップデートユーティリティをコピーします。
CD−ROMドライブがE:ドライブとすると、以下のようにFDにコピーします。
COPY E:¥AFLASH¥*.* A:¥ つぎざ、先ほどダウンロードした新BIOSをFDにコピーしますが、ダウンロードしたファイルはZIP形式で圧縮されていますので、解凍後のファイルをFDにコピーします。解凍方法は、解凍の達人になろう−RarUty−を参照してください。
今回の場合は、bx3f1003.zip を解凍すると、BX3F1003.AWDというファイルが出来ますので、それをFDにコピーします。これで、アップデートFDの出来あがりです。このとき、次のファイルがあることを確認して下さい。
Io.sys
Msdos.sys
Drvspace.bin
Command.com
Aflash.exe
Aflash.txt
Bx3f1003.awd
BIOSのアップグレード
先ほど作成したフロッピーを入れて、再起動します。
注意!!
このときの再起動時には、CLOCK・電圧ともに定格設定で行ってください。もし、オーバークロッキングな状態でBIOSのアップグレードした場合には、最悪BIOSの書き換えに失敗し二度と立ち上がらなくなってしまう場合があります。
また、BIOS設定の項目で、Advance Menu内のBIOS UpdateがEnabledになっていることを確認してください。
Microsoft(R) Windows 98
(C)Coryright Microsoft Corp 1981-1998.
A:\>aflash[Enter]
DOSプロンプトが出たら、"aflash"と入力しEnterキーを押すと、FLASH MEMORY WRITERが立ち上がります。
ASUS ACPI BIOS
FLASH MEMORY WRITER V1.20
Copyright (C) 1994-99, ASUSTeK COMPUTER INC
Flash Memory: ATMEL AT49F002T
Current Bios Vertion: ASUS P3B-F ACPI BIOS 1002
BIOS Model : <P3B-F>
BIOS Built date : 07/14/99
Choose one of the following:
1. Save Current BIOS To File
2. Update BIOS Including Boot Block and ESCD
Enter choice: []
Press ESC To Exitまず最初に、現在のBIOSを保存します。
”1”を押して、Enterキーを押すと、セーブするファイル名を聞いてくるので入力します。
現在のBIOSは1002であるので、bx3f1002.awdと入力しEnterを押すと、
現在のBIOS内容がここで入力したファイル名でセーブされます。
(この場合、フロッピーにbx3f1002.awdという名前でセーブされます。
何らかの理由で元のBIOSに戻す場合はこのファイルから戻すことができます。)
ASUS ACPI BIOS
FLASH MEMORY WRITER V1.20
Copyright (C) 1994-99, ASUSTeK COMPUTER INC
Flash Memory: ATMEL AT49F002T
Current Bios Vertion: ASUS P3B-F ACPI BIOS 1002
BIOS Model : <P3B-F>
BIOS Built date : 07/14/99
Plase Enter File Name to Save: bx3bf1002.awd
BIOS Saved Successfuly
Press ESC To ContinueBIOS Saved Successfulyと出力されれば終了です。
ESCキーを押して、メニュー画面に戻します。
ASUS ACPI BIOS
FLASH MEMORY WRITER V1.20
Copyright (C) 1994-99, ASUSTeK COMPUTER INC
Flash Memory: ATMEL AT49F002T
Current Bios Vertion: ASUS P3B-F ACPI BIOS 1002
BIOS Model : <P3B-F>
BIOS Built date : 07/14/99
Choose one of the following:
1. Save Current BIOS To File
2. Update BIOS Including Boot Block and ESCD
Enter choice: []
Press ESC To Exit今度は、実際に新BIOSをアップデートします。
”2”を押して、Enterキーを押すと、以下のような画面になります。
ASUS ACPI BIOS
FLASH MEMORY WRITER V1.20
Copyright (C) 1994-99, ASUSTeK COMPUTER INC
Flash Memory: ATMEL AT49F002T
Current Bios Vertion: ASUS P3B-F ACPI BIOS 1002
BIOS Model : <P3B-F>
BIOS Built date : 07/14/99
Please Enter File Name for New BIOS: bx3f1003.awd
Press ESC To Return to Main Menuここで、新BIOSのファイル名(ここでは、bx3f1003.awd)を入力し、Enterを押します。
すると、ファイルが読み込まれ、以下のような確認画面になります。
Update BIOS Including Block and ESCD
Flash Memory: ATMEL AT49F002T
BIOS Vertion
[ CURRENT ] ASUS P3B-F ACPI BIOS Revision 1002
[bx3f1003.awd] ASUS P3B-F ACPI BIOS Revision 1003
BIOS Model
[ CURRENT ] <P3B-F>
[bx3f1003.awd] <P3B-F>
Date of BIOS Built
[ CURRENT ] 07/14/99
[bx3f1003.awd] 07/30/99
Check sum of bx3f1003.awd is BC0B.
Are you Sure (Y/N) ? []
Press ESC To Return to Main Menuここで、現在のBIOSと新しいBIOSの情報が表示されますので確認してください。
もし、違う場合は、ESCキーを押せば、メニュー画面に戻ります。
これでよければ、Yキーを押して、Enterキーを押すと、BIOSの書き換えが始まり、
終了すると次のような画面になります。
書き換えの最中は、PCの神様に祈りをささげましょう(爆)
Update BIOS Including Block and ESCD
Flash Memory: ATMEL AT49F002T
BIOS Vertion
[ CURRENT ] ASUS P3B-F ACPI BIOS Revision 1002
[bx3f1003.awd] ASUS P3B-F ACPI BIOS Revision 1003
BIOS Model
[ CURRENT ] <P3B-F>
[bx3f1003.awd] <P3B-F>
Date of BIOS Built
[ CURRENT ] 07/14/99
[bx3f1003.awd] 07/30/99
Check sum of bx3f1003.awd is BC0B.
Are you Sure (Y/N) ? [Y]
Block Erasing -- Done
Programming -- 3DFFF
Flashed Successfully
Press ESC To Return to Main MenuFlashed Successfullyと出れば、BIOSの書き換えは成功です。
ESCキーを押すと、次のようになります。
Update BIOS Including Block and ESCD
Flash Memory: ATMEL AT49F002T
BIOS Vertion
[ CURRENT ] ASUS P3B-F ACPI BIOS Revision 1002
[bx3f1003.awd] ASUS P3B-F ACPI BIOS Revision 1003
BIOS Model
[ CURRENT ] <P3B-F>
[bx3f1003.awd] <P3B-F>
Date of BIOS Built
[ CURRENT ] 07/14/99
[bx3f1003.awd] 07/30/99
Check sum of bx3f1003.awd is BC0B.
Do you Want to Program again (Y/N) ? []
Press ESC To Return to Main Menuここで、再度、BIOS書き換えを行うかを聞いてきますが、もう書き換えは成功していますので、
”N”を押してEnterキーを押します。
ASUS ACPI BIOS
FLASH MEMORY WRITER V1.20
Copyright (C) 1994-99, ASUSTeK COMPUTER INC
Flash Memory: ATMEL AT49F002T
Current Bios Vertion: ASUS P3B-F ACPI BIOS 1002
BIOS Model : <P3B-F>
BIOS Built date : 07/14/99
Choose one of the following:
1. Save Current BIOS To File
2. Update BIOS Including Boot Block and ESCD
Enter choice: []
You hame flahed the EPROM;It is recommanded that you turn off
the power, enter SETUP and LOAD Setup Defaults to have CMOS
updated with new BIOS when exits.
Press ESC To Exitここで、ESCキーを押せば、DOS画面に戻ります(A:\>と表示)ので、電源を一度切り、フロッピーを取り出した後で再度電源を入れます。
電源を入れたときに、DELキーを押しておき、BIOS Setup Utilityを立ち上げ、Exitメニューから、"Load Setup Defaults"を選択して、CMOSの内容を初期化します。
その後、Exit Saving Changesを実行して内容を書き込みます。
なお、いままで、BIOSを変更していた場合は、初期値に戻っていますので、再設定する必要があります。これで、BIOSのアップグレードは成功です。おめでとうございます。