簡単PC遠隔操作−VNC−   →WinVNC編 →XVNC編


Part1.Winvnc編
Part2.XVNC編
Part3.活用編
Part4.リナザウ編
Part5.W-ZERO3編
Part6.PSP編
・Part7.VMWARE編


Part4 リナザウ編


リナザウでVNC

LinuxZaurus 通称リナザウはSHARPが発売した、OSにLinuxを採用した新しいZAURUSブランドの製品です。

とりあえずここでは、SL−C700、SL−C750、SL−C760、SL−C860のVGA搭載タイプでVNCを使用する方法を紹介します。


リナザウでPCを操作

リナザウでPCを操作するためには、

・PCにVNCサーバ(OSがWin2K,XpならおすすめはUltr@VNC)
・リナザウにVNCクライアント(Keypebble VNC Viewer)

をインストールする必要があります。

リナザウ用のVNCクライアントは「Keypebble VNC Viewer」という名前です。
ここ(Keypebble VNC Viewer)にもありますが、バージョンが古く、QVGAでしか使用できなかったり、接続環境の保存が出来なかったりします。

うまくインストールできる最新バージョンは、Opie(http://opie.handhelds.org/)にあります。
downloadから、Sharp ROM用FEEDへ移動して、opie-keypebbleパッケージ

opie-keypebble_1.0.0-sharprom_arm.ipk

をダウンロードしてください。

ただ、コレを使用するためのライブラリとして、

qtopia-x_0.1_arm.ipk(XVNCサーバ)

もインストールしてください。(多分必要)

 

なお、Keypebble VNC ViewerをSL−C760で使いやすいように改造されている方がおられるようです。

Zaurus SL-C760で使いやすいようにkeypebbleを改造する

特にキーカスタマイズ系の調整をやられているようです。
現時点では、私もまだ試していないのですが、そのうちやってみたいと思います。

 

さて、インストールが終わったら、設定に入ります。

・PCディスプレイの設定で「画面の色」を16ビットにする。
 (これをやらないと、リナザウ側でRequest 8-bit sessionnチェックを入れない場合、エラーとなる模様)

・VNCサーバの設定(Ultr@VNC)を行う。
 Ultr@VNCだと、Windows2000・XPをサーバにした場合、画面描画が比較的高速になります。
 うちの設定はこんな感じ(セキュリティ面のカスタマイズはこれ以外に若干してますけど)

 

・VNCビューアのプロパティの設定

「VNC Viewer」アイコンを長押しして、「ルート権限で実行する」にチェックを入れてください。
また、「アプリケーションを〜」にチェックを入れているとQVGA(240x320)、チェックをはずすと、VGA(640x480 or 480x640)での表示になります。
(上のインストールでインストールされるのはvncviewerのみです。他のアイコンは登録されません。)

 

・VNCピューアを起動すると、接続先の指定画面になります。以前登録されたものはクリックするだけで呼び出せます。
 最初に接続するときは、左上の白紙ボタンで登録できます。その横が呼び出し、削除のようです。

 

・各接続ごとに、さまざまな指定が出来ます。

Host Name:
 接続先のホスト名(IPアドレス)
 ちなみに、USB接続をしているのならば
 ここが192.168.129.1になります。
Display Number:
 接続時のディスプレイ番号
Password:
 接続パスワード
Bookmark Name:
 ブックマークの名前

を指定します。

Check for screen updates every:
 更新間隔をms単位で指定します。
Request 8-bit session:
 画面の色数を強制的に8bitにします。
 この項目は強制的にチェックが入るようです。
 接続先の画面の色数が16bitであれば、
 チェックをはずすことも可能です。
 (この項目は、設定に保存されません。)
Raise on bell:
 PC用の同項目と同じです。
Request shared session:
 VNCサーバの共有を行う時チェック。
Scale Factor:
 画面表示時の縮小サイズ指定
使用するEncodingsを指定する。

1つだけしか使えない模様。
他のも使えるようにする方法は無い物か…

 

・設定の後、OKボタンで、サーバに接続されます。

なお、この下のキャプチャ画面、「リナザウ(SL−C700)」から、「VAIO U101」を接続した画面を、別のディスクトップマシンでVNC表示した画面です。
つまり、「ディスクトップマシン」--(VNC接続)-->「SL−C700」--(VNC接続)-->「VAIO U101」という変なことやっている画面ですのであしからず。
というか、このページのキャプチャ画面全てそうですけど。


・なお、フルスクリーンにしたり、Control-Alt-Delete送信、切断、右クリックを行うには、右下の黄色い三角のところをタッチすれば出てきます。
 ダブルクリックを現状出来ないみたいです。

 

・さて、パフォーマンスですが、かなり無理をすれば、VAIO-U101で再生している動画をリナザウの画面上に表示することも・・・・・(おいおい)

320x240の動画をオーバーレイなしで50%に縮小表示させて、音はPCからイヤホンで。
ただ、VGA画面でVNCVIEWERを起動では、まだ厳しいので、画面をQVGAモードにして表示すると。
画面の大きさもちょうどくらいかと。

もう少し動画を速く表示する方法として、VNCサーバ側の"server screen Scale"の指定を1/2にして、VNC VierwerをQVGAで立ち上げる方法もあります。
いわゆるUltr@VNC Viewerのfuzzy screenに相当する物です。
(サーバーの画面が800x600の場合に、転送画面を400x300をサイズに縮小してクライアントに送り、Viewer側で2倍角表示する方法)
ただし、文字などが非常に見難くなりますが。

個人的には許容範囲です。ええ、無茶なのは判ってます(自爆)。
電車の中で動画を見るための苦肉の策。

ちなみに、私が持っているのはSL-C700ですので、その上位機種ではもう少し速いかもしれません。

 

 
上はVGA画面でVNC VIEWERを起動
左下はQVGA画面でVNC VIEWERを起動
    (mediaplayerの50%縮小)
右下がQVGA画面でVNC VIEWERを起動
    (サーバ画面全体を50%縮小)

ちなみに、下側の動画の再生サイズは左・右とも同じですが、
転送レートの関係で左の方が若干早いです。

 

・なお、リナザウからJAVAアプレット経由でVNCサーバへ接続することも出来ます。
この場合は、別途VNCクライアントを入れる必要は無いです。
ただし、かなり遅いですし、スクロールバーも出ませんのでおすすめしません。
(下は、USB接続したPCに、JAVAアプレット経由で接続した例)

evm -appletviewer http://192.168.129.1:5800/

 


PCでリナザウを操作

PCでリナザウを操作するためには、

・リナザウにVNCサーバ
・PCにVNCビューア(またはブラウザ)

をインストールする必要があります。

PC側はUltr@VNCを入れれば特に問題ないでしょう。入れなくてもブラウザからアクセスできますが。

なお、リナザウ用VNCサーバには、2種類ありまして、

1つは、Linux用のXVNCと同様に、リナザウの画面とは別に仮想的に別画面を用意してそれを操作する方法。
これは、通常リナザウ内部でX11を立ち上げて、画面を表示することが多いです。
このタイプのVNCサーバは、arm用にコンパイルされた「Qtopia-X」というXVNCサーバがあります。
表示のためには、リナザウ用のVNCビューア「Keypebble VNC viewer」を使います。
ただ、Qtopia-Xを使用するためにXライブラリ(Zaurus XFree86)をインストールしなければならないのですが、
コレを入れるとQTアプリの一部がうまく動かなくなるらしいです。

もう一つは、Windows用のVNCと同様に、リナザウそのものの画面をリモートで操作できるFB操作タイプがあります。

ここでは、後者のリナザウそのものの画面をリモートコントロールする方法を紹介します。

この場合、リナザウ側には、Tsuyoshi Abe氏のVNC server for SL-C700をインストールする必要があります。
インストール方法は、VNC server for SL-C700の通り、

1.zlibをインストールする。
2.zaurus-fbvncserver_0.3-slc700-0.4をインストールする。
3.SL-C700を手動で再起動する。  

すると、「VNC SERVER」アイコン3つと、「VNC password」アイコンがアプリケーションタグに出来ます。
(下の図は、VNC関連ファイルを別のタグに移動した物です。[VNC Viewerのみ別途インストールが必要です。])

・VNC server restart
・VNC server start
・VNC server stop
・VNC password

4.「VNC server restart」、「VNC server start」、「VNC server stop」それぞれのアイコンを長押しして、
  「ルート権限で実行する」にチェックを入れ、「アプリケーションをVGAの画面に最適化して実行する」のチェックをはずします。

5.と同様に「VNC password」アイコンを長押しして「ルート権限で実行する」にチェックを入れます。

6.「VNC password」を起動して、VNC用のパスワードを登録します。

7.VNCサーバを起動するには「VNC server start」アイコンを実行します。起動までに少し時間がかかるようです。

8.PC側から、「VNC VIEWER」を起動して、リナザウのVNCサーバにアクセスします。
リナザウのIPアドレスが「192.168.29.11」の場合は[192.168.29.11:0]にアクセスし、先ほど指定したパスワードを入力すればアクセスできます。
(USBでPC接続している場合は、「PCリンク」で指定されたIPアドレス(デフォルトは192.168.129.201)にアクセスします。)
実は、このページにあるリナザウのキャプチャ画面は、すべてVNC経由でPCに表示してからキャプチャしています。

なお、VNCビューアが無くてもブラウザから、「http://IPアドレス:5800」にアクセスしてもOKです。

9.操作が終わったら、「VNC server stop」アイコンを実行して、VNCサーバを停止します。
  次回からは、8番から実行すればよいです。

注意点としては、リナザウがVGAモードからQVGA画面に変わってしまうと、VNCビューアの画面が化けてしまいます。
とくにリナザウでスクリーンセーバが起動してしまうと、QVGAに切り替わってしまうので注意してください。


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