Windows10で重複排除(Dedup)を使う(Part2.設定編)



Windows10で重複排除(Dedup)を使う(Part1.導入編)
Windows10で重複排除(Dedup)を使う(Part2.設定編)
Windows10で重複排除(Dedup)を使う(Part3.運用編)

前回、Windows10に重複排除機能を追加しましたが、まだ有効になっていないので、有効にする必要があります。

サーバOSであれば、以下のようにサーバマネージャというGUIツールを利用して、ドライブの重複排除の有効化や各種設定、状況確認などができるのですが、Win10にはそのようなものはありませんので、すべてPowerShellから設定、状況確認をする必要があります。

では、コマンドを利用して有効化します。
対象は、ドライブ単位になります。

今回は D:\ドライブをReFS 3.4でフォーマットしていますので、こちらを有効化します。
一旦、以下の条件で、設定してます。

設定ドライブ D: (ReFS 3.4フォーマット)
使用用途   Defualt(General purpose file Server)

(有効化)
Enable-DedupVolume -Volume “D:” -UsageType Default

(設定確認)
Get-DedupVolume –Volume “D:”

(詳細設定確認)
Get-DedupVolume –Volume “D:” | select *

なお、一部項目はすべて表示されない場合があるので、以下のように入力すると表示されます。(以下はNoCompressionFileTypeを表示する場合)
Get-DedupVolume -Volume “D:” | foreach-object NoCompressionFileType

これで、D:ドライブが重複排除として設定されましたが、一部設定を変更することもできます。

なお、使用用途については、”Defualt(General purpose file Server)”をいったん設定しましたが、用途は、以下からセレクトできます。
MSドキュメント

用途
________
設定値
_____
特徴
_______________________
動作________________________
汎用ファイルサーバDefault汎用ファイル サーバーでは、同じファイルの多くのコピーまたはバージョンを複数のユーザーが所有する傾向があるため、データ重複除去の有力候補です。 ソフトウェア開発用の共有は、多くのバイナリがビルドごとに基本的に変更されていないため、データ重複除去の恩恵を受けることになります。バックグラウンドの最適化
既定の最適化ポリシー:ファイルの最小経過期間 = 3 日
使用中のファイルの最適化 = なし
部分的なファイルの最適化 = なし
仮想デスクトップ インフラストラクチャ (VDI) の展開HyperV仮想デスクトップ インフラストラクチャ (VDI) の展開: リモート デスクトップ サービスなどの VDI サーバーは、組織がユーザーにデスクトップをプロビジョニングするための軽量のオプションになります。バックグラウンドの最適化
既定の最適化ポリシー:ファイルの最小経過期間 = 3 日
使用中のファイルの最適化 = あり
部分的なファイルの最適化 = あり
Hyper-V 相互運用のための「内部的」な調整
仮想化されたバックアップ アプリケーションなどのバックアップ先Backupバックアップ スナップショット間には大幅な重複があるため、Microsoft Data Protection Manager (DPM) などのバックアップ アプリケーションはデータ重複除去の有力候補です。(WinSV2016から設定可能)優先度の最適化
既定の最適化ポリシー:ファイルの最小経過期間 = 0 日
使用中のファイルの最適化 = あり
部分的なファイルの最適化 = なし
DPM または DPM に似たソリューションとの相互運用のための「内部的」な調整

変更コマンドは、以下の通りです。(初期の有効化時と同じコマンドです)
一部パラメータは、自動調整されます。

(Default)に再設定する場合
Enable-DedupVolume -Volume “D:” -UsageType Default

(HyperV)に再設定する場合
Enable-DedupVolume -Volume “D:” -UsageType HyperV

(Backup)に再設定する場合
Enable-DedupVolume -Volume “D:” -UsageType Backup

それでは、特定の設定項目を設定してみます。

ここでは、以下の条件で設定変更します(よく設定変更する項目)。
(その他項目は、MSドキュメントを参照ください。)

設定
_________________
パラメータ名
________________
Default時
の初期値
_______
変更値
______
ファイルが最適化のポリシー内であるとみなされる前にファイルが作成されてから経過した日数MinimumFileAgeDays 30
ファイルが最適化のポリシー内であるとみなされる必要がある最小ファイル サイズMinimumFileSize 3276832768
最適化から除外されるファイルの種類ExcludeFileTypeなし.tmp
.temp
最適化の対象としないフォルダーのパスの指定ExcludeFolderなしd:\TEMP

コマンド例(設定、確認)

Set-DedupVolume -Volume “D:” -MinimumFileAgeDays 0 -MinimumFileSize 32768
get-DedupVolume -Volume “D:” | select MinimumFileAgeDays,MinimumFileSize

Set-DedupVolume -Volume “D:” -ExcludeFileType @(“tmp”,”temp”)
get-DedupVolume -Volume “D:” | select ExcludeFileType

Set-DedupVolume -Volume “D:” -ExcludeFolder @(“\TEMP”)
get-DedupVolume -Volume “D:” | select ExcludeFolder

上記のように項目を設定していくことができます。

これで、D:ドライブを重複排除ストレージとして使用できるようになりました。

このままDドライブにファイルを保存すれば、サーバのアイドル時に自動的に重複排除が行われます。
また、スケジュールされた時間帯に、ガーベージコレクションや整合性チェックも行われます。

この時点での状況を確認してみます。

Get-DedupProperties D Dドライブの利用状況
Get-dedupjob       実行中の重複排除ジョブ
Get-dedupstatus      重複排除状況(ファイル数)
Get-DedupVolume     重複排除状況(重複排除による削減結果)
Get-DedupSchedule    設定されているスケジュール情報
Get-DedupMetadata    メタデータ情報

次回は、運用編として、強制的に重複排除を実行するコマンド等、
特定のシナリオに従って、どのように動作するかを見てみたいと思います。



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