電子辞書Brainをいじる (2) Brainuxをネットワークに接続して遊ぶ


Brainuxをいじって遊ぶ

前回作成したMicroSDから改めてBrainuxを起動します。
電子辞書のメニュー(HOME -> ツール -> 追加コンテンツ -> 追加アプリ・動画)に進んで、
「launch Linux」をクリックすることで、Linux(Brailunx)を起動できます。

環境的には、Brainuxは、Debian GNU/Linux 11 (bullseye)ベースのようです。

ハードウェア等の情報を表示させてみる

手始めに、Brainuxから見えるハードウェア情報を表示してみます。
Terminalを立ち上げて、コマンドを入力します。

lscpu CPU情報表示

free メモリ使用状況表示(SWAP設定後)

lsusb USBデバイスの一覧を表示

lsblk ブロックデバイス(ストレージ)の一覧を表示(領域拡張後)

mount マウント状況

lsipc メモリパラメータ情報を表示

uname -a 使用中のシステム名を表示

hostnamectl ホスト名以外のシステム情報をまとめて表示

ip address ネットワーク情報を表示

ほかにも、さまざまなコマンドが実行できます。
slコマンドまで入っているのは少し笑いましたが。

有線LANでネットワークに接続する

Brainuxでは、有線lANでネットワークに接続できます。
必要なものは、外部電源供給可能なMicroAタイプのUSBホストアダプタと、USB接続タイプの有線LANアダプタです。

外部電源供給可能なMicroAタイプのUSBホストアダプタは、Amazonで入手したものが利用できました(Brainからの給電ができないため外部電源供給必須です。)。
ただ、このホストアダプタ経由でのBrainへの充電はされないみたいなのでBrainの充電切れには注意してください。
アイネックス USBホストアダプタ 補助電源付 ADV-120

USB接続タイプの有線LANアダプタについては、手持ちにLogitecのUSBHUB付きの100Mbpsの有線LANアダプタがあったので、試しにつないでみたら使えました。
USB-HUB付であれば、USBマウスやキーボードも追加で繋げられるので便利です。
ロジテック 有線LANアダプタ USB 2.0 USB2.0ハブ3ポート付 LAN-TXU2H3A

有線LANでつないでみると、LANアダプタを認識してLANにつながりました。
LANアダプタはASIX Electronics AX88772B として認識しています。
DHCPでIPを自動取得(192.168.29.11)して、DGWへのPingも通りました。

ちなみに、USB有線LANアダプタの代わりにUSBテザリング可能なモバイルルータを接続しても外部通信可能です。
今回は手持ちのAterm MR04LNをUSBホストアダプタ経由で接続したら、ちゃんと認識してインターネットへの通信ができました。

USBでホストPCを経由してネットワークに接続する(USB Ethernet Gadget)

BrainをUSB機器としてPCに認識させて、ネットワークに接続する方法です。

sudo brain-config コマンドでUSB Controllerのモードを変更すると、
パソコンとUSBケーブルを1本でつないで、ホストPCを経由して外部ネットワークに接続することができるようです。(Brain->外部ネットワークへの通信は可能ですが、逆はホストPC->Brain方向への通信のみが可能です。)

Brainへの充電も同時にしてくれますので、長時間Brainを使いたいならこちらですが、
USBキーボード・マウスとの併用はできません。

  • Host[USB Host Mode]モード
     BrainがUSB ホストアダプタを経由してUSB機器を認識できるモード
     USBキーボードやマウス、USBネットワークアダプタ等を直接使うことができます。
  • Peripheral[USB Devioce Mode (for Gadget)]モード
     BrainをUSB機器として、他PC等のデバイスとして認識させることができるモードです。
     ただし、BrainがUSB機器を認識することはできません。

詳しいやり方は、Brainux Wikiに書かれています。
USB Ethernet Gadget

作業は大体はこのページの通りです。
UBSケーブルを接続して、ホストPCからピポッと鳴れば、接続しているはずです。
sudo ip aを実行して、IPv4アドレスが付与されていればOKです。

上記の場合、3: usb0:のブロックを確認すると、192.168.137.226が割り当たっていますね。
これが、ホストPCから見たBrainのIPアドレスになります。

IPv4が割り当たっていない場合は、DHCPでのIP取得ができていない場合があるので、
USBケーブルのつけなおしをしてみたり、以下のコマンドを打ってみてください。

sudo dhclient

これで、DHCPからIP取得ができれば、外部へのPingも通るようになります。

PCからSSHでアクセスする

Brainがネットワークににつながったので、PCからSSHに接続してみる。
ip a コマンドの結果を確認すると、DHCPで割り振られたIPが192.168.29.11だった場合、
そのIPでログインしてみると、無事接続できました。
認証情報は コンソールと一緒で、user/brain でOKでした。

同様にWINSCPでSFTPプロトコルにてログインできるので、
ファイルのやり取りもネットワーク経由でOKです。

ブラウザ(midori)を試す

Brainuxには標準でブラウザも搭載しています。

Midori という軽量および高速な動作を目的としたブラウザが標準でありますので
X11上環境上で起動します。

midori &

速度とレスポンスを無視すれば、普通にGoogleにもSSL接続できます。

定番の「阿部寛」さんのホームページもOKです。
(もうすぐhttpでの接続ができなくなって、https接続のみになるそうので、いまのうちに)

さすがに重いので、Midoriによる日常的なブラウジングは難しいです。

ブラウザ(NerSurf)を試す

Netserfも標準で入っていますが、midoriよりは軽いですが、標準でJavascriptが有効になっていないようで、googleにアクセスすると警告が出ます。

terminalから、netsurf &で起動出来ます。

Javascrptは、右上の横三本線から、Edit->Preferences->Contentー>Enable Javascriptにチェックを入れれば有効にできるようですが、Javascriptを有効にしても私の環境ではGoogle検索はなぜか失敗しました。
あと画面上部のタイトルで文字化けも出ているようです。

netsurfは使えるレベルのレスポンスに感じますが、表示できるサイトに制限があるようです。

ネットワークにつながったので、aptでパッケージ更新してみる。

Brainuxのベースは、「Debian GNU/Linux 11 (bullseye)」なので、ネット経由でのパッケージ管理ツールも入っています。

すでに導入しているOSパッケージの更新は以下のコマンドになります。

sudo apt update
sudo apt upgrade

ただし、2025/11/05時点でやってみると、標準ではパッケージが保管されているレポジトリにアクセスできなくてスキップされているようです。

brainのコミュニティを確認すると、OSのarmelアーキテクチャ(32bit ARMv4T以上)がdebian11の公式レポジトリから削除されてしまった影響とのことです。
>Debian 11 bullseye のフルサポートは去年で終了していて、既に LTS 期間に入っているようです。LTS 期間のサポート対象として armel は外れているので、サポート終了の結果としてリポジトリから消滅したものと思われます。

現状のレポジトリリストを確認すると、以下のようでした。
/etc/apt/sources.list debian公式のレポジトリが登録
/etc/apt/sources.list.d/* brainux用のレポジトリが登録

で、コミュニティの情報を元に、ブラウザでサイトを確認しながら試行錯誤していましたが、
以下のレポジトリを指定すると、apt updateできているっぽい。

/etc/apt/sources.list

deb http://archive.debian.org/debian bullseye main contrib non-free
deb-src http://archive.debian.org/debian bullseye main contrib non-free

この更新後、apt show コマンドで、パッケージ情報も取得できるようになって、
パッケージインストールもできているみたいのでいけてるかな?
(なお、導入したxtightvncviewerは起動・接続共に成功しましたが、画面表示レスポンスが遅いので使い方に制限が出そうです。チューニングで解決するかもしれませんが。)
(本当はRemmina試したいんだけど、レポジトリにないみたいでapu showに切っかからない)

ただ、このレポジトリもいつまで使えるのか、ちょっと不安・・・・
むりやりdebian 12 Bookworm にアップデートされた強者もいらっしゃるようなので、
そのうち切り替えるのを試してみるかもしれません。

それと、この状態でapt upgradeしても毎回「x11-ico-dvd」が引っかかってくるのですが、これは別原因かな。




(参考)Terminal上で使用可能なコマンド[2024-12-23-202715版]

userでpathが通っているコマンド

sudo コマンド上でpathが通っているコマンド

(なお、slコマンドだけはsudo上での実行はpathが通っていなくて、出来ないようです。)

カテゴリー: 未分類 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です