ESX4.1以上であれば、通常にUSBパススルーを使って、仮想マシンにUSBデバイスを直結できます。
ただし、ESX4.0の使用であったり、USBパススルーでうまく認識しないデバイス(USBキーボード等)や、速度を要求するデバイスに関しては、うまく出来ない場合があります。
この場合、サーバ内のUSBコントローラをVMDirectPath使用して仮想マシンに直結することで
上記欠点を解決できます(特定ハード(VT-d)の条件付き)。
USBコントローラ直結の場合、接続可能なUSB機器としては、基本的にすべてOKです。
USBパススルーのように、HIDデバイス不可のような制限はありませんし、速度低下もほとんど無いようです。
ただし、1つのUSBコントローラは、直結した仮想マシンからしか使用できないので、複数の仮想マシンで共有することはできません。
いままで、使用できた実績のあるUSBデバイス一覧(試した全部使えてます)
- HIDデバイス(キーボード・マウス)
- USBメモリ、USB-HDD
- USB-HUB
- USB-DVDドライブ・Blu-rayドライブ
- USBスピーカ
- USB-VGA変換デバイス
- デジタルTVチューナ(地デジ・BS/CS)
- 無線LANドングル
- Bluetoothドングル
- WindowsMobileAndroid端末
なお、ESXi4.0,4,1,5.0では基本的に問題ありませんが、ESX5.1,5.5についてはパッチによって
USBコントローラの仮想マシンの直結ができない場合があるようです。
- ESX5.1 ESXi510-201303001以前、または5.1 update1 以降はUSBコントローラの直結ができないようです。
- ESX5.5 現状うまくいかず・・・・うまくいった事例もあるようですが。
ここでGT110bでの注意点。
起動用USBで背面または、前面のUSBポートを使用してしまうと、
GT110bには、USBコントローラが2つしかなく背面・前面USBポートは
同じUSBコントローラから接続されているため、USBコントローラを仮想マシンに直結するためには マザーボード上の増設用USBポートからポートを増設してつける必要があります。
また、USBインターフェースボードを増設する場合は、PCI-Express版を用意しましょう。
PCI版だと、一緒のPCIバスに内蔵VGAがあるため、事実上VMDirectpath対象にできません。
なお、USB2.0インターフェースだけでなく、USB3.0インターフェイスでも同様に使えます。
なお、パススルーの設定としては、構成 -> 詳細設定 から編集で、設定する。
GT110bの場合、USBコントローラが2つあるが、
(00:1d.0) | Intel Corporation 5 Series/3400 Series Chipset USB2 Enhanced Host Controller
が背面、前面ポート用のUSBポートらしい。こちらにのみチェックを入れる。
もうひとつのほう
(00:1a.0) | Intel Corporation 5 Series/3400 Series Chipset USB2 Enhanced Host Controller
は、マザーボード上の増設用USBポート用コントローラとなります。
起動用USBメモリをマザーボード上の増設用USBポートにつないでいる場合は、
こちららのチェックは入れない方がいいです。
あとは、仮想マシンの編集で、仮想マシンにPCIデバイスとして、
(00:1d.0) | Intel Corporation 5 Series/3400 Series Chipset USB2 Enhanced Host Controller
を追加してあげます。
その他、仮想マシンの設定で、以下の設定を行います。
- メモリの予約領域を最大にする必要があります。
4GBのメモリを割り当てたら、予約領域サイズも4GBに設定。 - キーボードを接続する場合、仮想USBコントローラを追加しておきます。
これによって、キーボードから”_”が入力できない不具合が(なぜか)解消されます。
あとは、サーバの背面・前面パネルに好きなUSBデバイスを挿せば、自動的に仮想マシンに接続されるようになります。
ただし、ESXi4.xでのVMDirectPathの制限としては
- CPUにVT-d(Intel)またはIOMMU(amd)機能があり、チップセット的にも対応している必要がある。
- 1仮想マシンにVMDirectPath経由でのPCIデバイス接続は2デバイスまで(ESX5.0以降は4こまで)です。
- VMDirectPathを使っている仮想マシンでは、サスペンドやスナップショット、デバイスのホットアドなど、使用できない機能があります。
上記方法を使うと、
USBキーボード、USBマウス、USB-VGAアダプタ、USBスピーカ、USBメモリ、USB-HDDを仮想マシンに直結させて
ESXiサーバをクライアントのように使用することが出来ます。
つまり、ESXiサーバ単体で自分自身を管理できるクライアントとして利用できます。
名付けて、「自作自演管理サーバ」です。
以下は、ESXiのログから調査した技術情報
GT110bのUSBコネクタ接続状況
USBコントローラ1(00:1a.0) | Intel Corporation 5 Series/3400 Series Chipset USB2 Enhanced Host Controller
1-1 6Port USB HUB
1-1.1 マザー上側コネクタの上
1-1.2 マザー上側コネクタの下
1-1.3 マザー下側コネクタの上
1-1.4 マザー下側コネクタの下
USBコントローラ2(00:1d.0) | Intel Corporation 5 Series/3400 Series Chipset USB2 Enhanced Host Controller
2-1 8Port USB HUB
2-1.1 背面上右側
2-1.2 背面上左側
2-1.3 背面下右側
2-1.4 背面下左側
2-1.5 前面右側
2-1.6 前面左側
なお、内部増設用USBコネクタは左側から次の順で接続すればOK。
赤:VCC
白:-DATA
緑:+DATA
黒:GND
黒:FG (ここのみ各コネクタの下側には接続しなくても大丈夫なようです。)